展示室
豊田有希著「あめつちのことづて」

只今、展示室では一冊の書籍を見詰めていただく場をひらいています。
「あめつちのことづて」豊田有希著
写真家 豊田有希さんが2021年5月から2022年1月に西日本新聞にて連載された「あめつちのことづて たゆたうノート」をまとめたものです。
2012年1月、「山間部、半数に水俣病症状」という新聞の見出しに目が止まり、いくつもの疑問を抱え、数日後黒岩集落へ向かう。撮影取材を続け、2015年10月、意を決して水俣へ移住。
最初に訪れた時、そして撮影を始めてから今までの時間の中で知っていった土地の風土や風俗、人間模様。そして同時に直面したことや考えたこと、そのゆらめく心情を織り交ぜながら春夏秋冬ごと書き記しました。
あめつちのことづてたゆたうノートより
豊田さんの言葉にある通り、この本は水俣病のことだけを書いたものではなく、「水俣病」というラベルを写真と言葉を使って丁寧に剥がしているように思います。
また、豊田さんの被写体に向かう姿勢も素晴らしく、自問自答を繰り返しながら撮影を続けていく姿にも感銘を受けます。ぜひゆっくりと頁を捲って、見詰めてください。
「あめつちのことづて」豊田有希著 ¥2,000(in tax)