雑記
一六 読了
本を読む慣習がありついには展示室を展示がない日々は本屋としてひらきましてそこで取り扱っている本はこれまでに僕自身が読んできてこれはずっと手元に置いておきたい一生読むことになるんだろうなと思った本この本を他の方はどう読むのだろう同じ本を読んだ方とそれを前提条件にどんな話が出来るだろうなどなどいろいろな思いのもとに本屋をひらいています。自身の本棚をみせているようなもので少しの気恥ずかしさはあるけれどそれよりも既出の思いが優っているので何とかその自意識を抑え込めています。
ちかごろ本を読んでいて思うのは「本を読み終わる」ってあるのかなという疑問。確かに頁を最後まで捲り続ければ終わりはやってくるのだけれどだからと言って「これにて読了」という感覚には全くなれずむしろわからない事が出てくるから一読目はこの本にはなにがどのように書いてあるかをなんとなく把握しましたという具合でだから次からが本当に読むことになりますよという心構えでまた読むのだけれど読んでるとまたわからないところが出てきてしまうものだから一向に読み終わらない。
この感覚は本だけにあらず映画や絵画写真作品などなどにもみられる傾向で一度みたくらいではどうにも理解が及ばずみるたびに初めてみるかのように繰り返すことでなんとなく感想のようなものを感じはじめる。だからほんと毎度毎度どんだけ自分は鈍いのだと思いながらもそうしないと感じ取れないものだから仕方がないそしてそれを実は愉しんでいる。