お知らせ
書籍展「人類堆肥化計画」
2月6日(土)より月白展示室にて書籍展「人類堆肥化計画」をはじめます。

生きることの迫真性を求めて、都会から奈良の里山へ移り住んだ若き農耕民 東千茅。「わたしの生きる目的は、ただ悦びを得ることだけにある。」と東さんはいう。
「ただ悦びを得ること」
誰もがそう考えるでしょう。喜びに満ちて生きたい。しかし、東さんの悦びはもっと深いところにあります。
禁欲や清貧、牧歌的なイメージで語られる機会が多い里山という場。実際にそう謳い、外から人を呼び込む広告は世の中の至る所にあります。今朝銀行に行った時にも目にした。しかし、東さんの捉える里山はそんなイメージから離れた、人間を含む貪欲な多種たちの賑やかな吹き溜まりとして捉えなおす。
人類“堆肥化”計画。堆肥とは有機物が腐敗し、新たな有機物を育むものです。人類はおしなべて腐っている、だが腐敗が足りていない、中途半端に腐っている。腐るなら腐敗の先にある堆肥になるまで腐ってしまい、堆肥となり、多種と混じり合い、育み殺す、多層で肥えた場を形成することを提唱する。
そしてそこにこそ「悦び」がある。
生の悦びを基底から問い直す一冊です。
また、各章の終わりに掲載された春夏秋冬の里山での生活、自然の描写が小気味よく、この本の清涼剤となっています。
会期中、展示室へはおひとりずつご案内させていただきます。
実際に開いて、読んでいただく見本を一冊ご用意していますので、15分を限度とし、人類堆肥化計画をお読みいただき、お買い求めいただけます。
「人類堆肥化計画」著者 東千茅 ¥1870(税込)